* 以前WEB拍手からリクエスト頂いたので、絵を描く際の作業工程を晒してみます。
私がデジタルで絵を描く為に使用しているアプリケーションはPainter4です。
かなり古いソフトですが、アナログっぽい作業をする分には何ら申し分ないレベルです。
ただソフトそのものに致命的なバグがあり、画像保存の際にデータが突然ぶっ壊れる事があります。
その点において、かなりFuck!でShit!なソフトと言わざるを得ないでしょう。


1)下書き


まずPainterで新規画像を開き(72dpi、描きやすい大きさで)、鉛筆2Bツール(色は赤)を使って下書きをします。
大体終わったら下書き画像をフローター(レイヤーのようなもの)に変換し、乗算20%程度に設定しておきます。

次にフローター化された下書きを元に、大雑把なペン入れ作業をしていきます。
使用するツールはスクラッチボード(色は黒)、この時点でベタも塗りつぶしてしまいます。
出来上がった大雑把な絵は、右のアップ図で見るとわかりますが、低解像度ゆえに線が荒いです。
終わったらフローターを削除し、B5サイズの紙におさまる程度に縮小して一旦プリントアウトします。



2)線の修正


先ほどプリントアウトした絵を高解像度(200〜300dpi程度か)、8ビットグレーでパソコンにスキャンします。
目立つヨゴレを消去し、若干コントラストを強めてやりますが、
この時のコントラストの強弱次第で、黒の部分が「限りなく黒に近いグレー」になります。
こうしておいて、さらに黒くしたい部分をペンツールで塗れば、黒部分に深みを増す事が可能です。

次に画像をPainterで開き、鉛筆2Bとスクラッチボード(主に消しゴムとして)を使って線を綺麗にしていきます。
線の修正時に使う色は大体グレー50〜70%程度でしょうか。
描くものによっては別の色を使用する事もありますが…(木の幹は茶系だったり。今回は木もグレーです)。
右のアップ図と、下書き状態のアップ図と比べて見ると、線の修正具合がわかると思います。
影となる部分も鉛筆ツールでうっすら塗ったりアミかけたりしとくと後々便利。



3)色塗り


線を修正しつつ、着色にも取り掛かっていきます。
水彩細筆ツール(不透明度100%、荒さ0%)を使って、全体の配色バランスを見ながら勘で塗り進めます。

ちなみに私がよく使う色は右図の斜線の範囲内の色(もうちょっと広いかな)。
鮮やかな絵を描く際も、この範囲にあるような濁り色は多様します。
特に影になる部分や目立ちすぎる色などは、自然とグレーが混ざった色を選んで塗っているようです。
あと、あまり「○○は普通○○色」と思い込まないで塗った方がいいと思います。

…この絵は背景どうしようかと迷ったまま描き始めたので、その辺は着色しつつ考えました。
富士山と後々入れる雲とで十分間が持ちそうなので、そんな雰囲気の錦絵っぽい作品にする予定。



4)苦行


細部まで描きこんでは塗ってを繰り返し、足したいものがあればさらに描き足します。
使うツールは鉛筆2B(線)、スクラッチボード(消しゴム用&線)、水彩細筆のみ。
例外として、狆の目の光りにエアーブラシ、花札の柄にペン&インクを使っています。

着色段階は基本、延々これの繰り返しになるので、飽きるし苦行やってるような気になります。
特に狆の修正(まだ終わってない)と花札が面倒だった。あと梅の花も描かねばならぬ。
…にも関わらず、途中でキジを追加したくなりました。
あと扇子をちょっと開いた状態にしたくなったので、焦らず作業を続け、完成までこぎつける事にします。



5)仕上げ


扇子を一旦消し、狆を修正、梅の蕾&花とキジのつがいを追加、他細かい部分も修正しました。
扇子は後でやる事にして、一旦絵を乾燥させます。

その後Photoshopで画像を開き、空の部分のみを選択、赤いグラデーションを乗算にて合成しました。
また、スキャンした手描きの雲のシルエットを、これまたレイヤーを使って合成してやりました。
他、手書きだった丸い縁を消し、Illustratorで描いたきれいな円に変更しています。
仕上げに再度Painterで画像を開き、スクラッチボードやパステルツールを使って
細部を修正したり、部分的に線を描き起こしたりします。

それが終わったらアナログ鉛筆で描いた扇子の主線をPhotoshopでうまく繋ぎ合わせてやり、
色を塗った後に乾燥、梅の細かい部分、他の修正や仕上げを施します。



6)完成



最後にPhotoshopで開き、新規レイヤー全体を濃いピンク色に塗り、スクリーン25%程度で合成してあげたら完成。
梅の花があるために、めちゃくちゃ面倒くさい絵でした(花を描くのが苦手なんです)。
ちなみにアナログでペン入れした線画をスキャンして塗る場合も手順は同じです。
落書きの場合は低解像度直描き→色塗り→仕上げといった流れで簡単に仕上げてます。

描くにあたって、コツというコツはないのですが、特定の色だけ浮いたりしないようには気をつけています。
こだわっている所は、主線を残す描き方をするという事。
ペンタッチや線の勢いを好んでもらえる事が多いので、それを活かすようにしています。

…ただ今回のように主線や黒が多すぎる絵だと、絵の印象が全体的にドぎつくなってしまうので、
その場合はスクリーンで合う色を軽く合成して、ちょっとスミ部分の印象を軽くしてやったりしてます。


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…ちなみにパソコンで直描きした下書きを、わざわざ再度高解像度でスキャンし直すのは
パソコンで描いたほうが修正楽なんだけど、だからと言って高解像度で直描きすると固まりやすいからです。
低解像度直描きで進めるとどうしても荒くなるし…(落書きは基本低解像度直描き仕上げ)。
とにかく楽な描き方を模索していったらこうなりました。

いずれにしてもアナログ水彩で描く場合と作業工程はさほど変わりません(笑)。
簡単に塗りなおし出来る所や、レイヤー合成出来ちゃう所なんかはデジタルならではですがね。