私が依頼を受けた偉人伝記漫画の仕事に関する被害について



私、陣内は現在ミャンマー情勢に関する漫画に取り組んでいます。この漫画は元々、「happy」という映画を製作した米国のカルフォルニア州にあるドキュメンタリー映画制作会社、「W社」のプロデューサー、S氏(E社代表)より依頼を受け、アウンサンスーチーさんの伝記漫画として描きはじめたものです。

途中依頼元との間でトラブルがあり、企画から撤退した為に現在各方面のご協力を受け、出版に向け動いている最中ですがなかなかうまくいかず、180Pを越えるネーム(ほぼ下書き)を抱えたまま途方にくれている所です。

 あまりにも損害が酷かった、且つS氏がこの企画をまだ続けているようなので、多くの方に知ってもらいたく(新たな被害者を出したくないため)、内容をこの度ネットにアップする事にしました。

以下トラブルの概要は、とあるビルマ支援団体さんに直接お渡しした文書です(一部表記をイニシャル等に変換してます)。ご興味ある方はご一読頂ければ幸いです。





■■■ プロデューサーS氏の偉人伝漫画企画について ■■■


 最初聞いた話では、E社は映画会社、W社の出版部門との事でした。また、当初S氏から聞かされていた伝記漫画企画の目的は以下の通りです。



1)この企画は人権問題に取り組む企画でもあり、偉人と呼ばれる人の生き方を
漫画というコンテンツで表現する事で、より良い世界を作る事に貢献したい。

2)出版された本の収益の多くはチャリティーに寄付する予定。

3)描き手の作業環境に合わせたスケジュールを組むことで、多少時間をかけてでも
世界中の人達が楽しんでくれるような秀作をつくりたい。
その上で、現在の出版業界の環境を少しでも良くするさきがけとなりたい。



 私は漫画家ではなく、たまたま趣味で描いている漫画やイラストを、インターネット上に公開していた事から、この話を持ちかけられました。また、このような長編の作品を描くのも初めてでしたが、S氏と直接会って話をし、それでも構わないという返事だったので、原稿料や印税等条件を話し合い、納得した上で仕事を請ける事となりました。

 ちなみにS氏は、ビジネス的な部分で双方(S氏と私)にとって、あくまでフェアな取り引きを行いたいと話しました。それらを聞いた末に、真面目そうな企画である事、誠実な企業であると判断して仕事を請けた次第です。





■■■ 実際の作業状況(当初の目的に反した進め方について) ■■■


 今回私は依頼により、アウンサンスーチーさんの漫画を手掛けましたが、私は元々アウンサンスーチーさんの事をほとんど知らなかった人間です。実際に取り組んでみると、ビルマ問題が現在進行形である上に、ビルマ問題に対しての日本におけるマスコミ・ジャーナリストの反応があまりにも極端なため、思った以上に大変な仕事で、本当に困惑させられました。


 そして作業を進めるうちに、S氏側の動きや進め方、考え方が、当初言っていた目的とは相反するものだという事に気付き始めました。まず第一に、S氏は「圧政に苦しむビルマの人々の一助になりたいが為の企画」とよく発言していましたが、ビルマ問題にあまり詳しくない様子が度々伺えました。例えば…

 私が描いた漫画はティンウー元NLD副議長(スーチーさんの右腕的存在の方)がストーリーテーラーを務めるという形をとっていますが、彼は「必要があればビルマ入りし、直接ティンウーさんにインタビューしてきますよ」と私に言いました。つまりはティンウー元NLD副議長が、アウンサンスーチー元NLD書記長と共にディペイン事件に遭遇、当時軟禁状態、生死すら定かでない状態にあった事を知らなかったという事になります。





 …また、私は2008年7月からこの漫画に取り組んでいたのですが、2009年2月になり、日本の大手出版社、M社から企画漫画がシリーズ出版される事が決まったとの事で、突然それに合わせたスケジュールでこの物語を完成させるよう、せかされるようになりました。

 実は私がS氏とお会いした際、他著者さんが描かれたダライ・ラマ14世、チェ・ゲバラ、マザーテレサの3作品の原稿が既に出来上がっており、それらをその場で見せられていたのですが、この時点で私の担当する作品が、それらの発行と一緒に組み込まれる事になるとは思いもしませんでした。

 結局何とか頑張ったものの作業は追いつかず、5月になって、このシリーズ出版が「ダライ・ラマ14世(4月末発行)」を出版した限りで中止となった事を聞かされました。その理由は私の作業の遅れが原因との事でした。





 そもそもこれでは当初言っていた「描き手の作業環境に合わせたスケジュールを組む」という条件がまったく無視されていますし、私(著者)の知らない間に勝手に出版予定を立てられても困ります(著作権上の問題)また、このようなやり方は事実を伝える漫画として相応しくありません(むしろアウンサンスーチーさんに対して失礼な作品に仕上がります)。

 …この時点で納得いかないものを感じた私は、同じ現在進行形の物語であるダライ・ラマ14世を描かれた漫画家さん(漫画家歴30年。過去に伝記漫画を何本か描かれているベテランさんです)に個人的に連絡を取り、作業にどれくらいの期間がかかったのか聞いてみた所、プロット〜ネームだけでも1年近くかかったとの返事を頂きました。こういった漫画を描く場合、普通の娯楽漫画と違ってそれくらい期間がかかるのは当然の事であると。

 何故ならば現在進行形である事に加え、正しい情報を反映させるためには、著者の責任として、大変に慎重にならざるを得ないからだという事です。私もそれに同感ですし、そういうつもりで取り組んできました。そしてこの企画には本来こういった内容の漫画を描く際いなくてはならない監修者が何故か不在であること、長編を描くのが初めてなら尚の事大変なのは当然で、それを了承して頼んだのなら本来サポートすべきはS氏の方であるのにそれが出来ていないという事…また、S氏のやり方にはいろいろと問題があるという事も、この時点で話して下さいました。




 …そこでS氏に対し、メールでそれらの事や、ビルマ問題に取り組む事の難しさを説明し、企画の進め方をもう少し考えてくれるようお願いしました。しかしその後6ヶ月も何の連絡もなかった上に、連絡が来た際にはこちらが一方的に連絡しなかった事にされ(「陣内さん全然連絡下さらなかったじゃないですかー」と言われ)、伝えた事に対する返事もなく、以降企画の進め方が変わる事もありませんでした。





■■■ 企画撤退に至った原因 ■■■


 …その後S氏の事をあまり気にしないようにして作業を再開する事にしたのですが、2010年4月末になって突然、私の遅れが原因で「ネームの完成がお約束いただいたスケジュールから2年近くも遅れている状況の中*1、残念ながら乗り気だった出版社の何社から断り、また検討が振り出しに戻ってしまいました。そのため、その責任を取ってもらわなくてはならないので契約条件を変える事にします。以下のどちらかを選択して下さい。お互いにとってフェアになるよう考えて見ました」との連絡が来ました。以下、提示された条件(以下原文ママ)です。




1)プロジェクト共同保有

  >リアリティーのある作品完成の日程を厳守するという大前提のもと、
  >国内国外を問わず、弊社と陣内さんで著作権および債権を半々(50%:50%)で
  >保有する形をとります。よって印税などは、ビルマ支援のチャリティーを
  >差し引いた残額を半分ずつ受け取るように設定します。
  >その代わりに、弊社からの陣内さんへの制作料の支払総額(これまでの送金額*2も含む)
  >が、現在の料率の“半分”になるように計算しなおし(原稿料1枚3000円へ)、しかるべきタイミングで
  >残額を送金いたします。弊社は引き続き、持っているネットワークを使い
  >代表して国内外の出版社へのライセンス営業を続けます。
  >またビルマの関連団体とも折衝し制作をサポートします。*3


2)プロジェクト撤退

  >作品をタイムリーに世に出す事は不可能と判断します。これまでに陣内さんに
  >お支払いした金額を*2、交通費を差し引いた形でご返納いただきます。
  >今後、陣内さんが個人的に作品を完成し、出版会社などに折衝していただくことに関し、
  >弊社は権利を一切放棄し関与いたしません。


*1 それまで作業にかかった期間は1年と4ヶ月(+連絡がこなかった6ヶ月で2年ですが)であり、「約束したスケジュールから2年も遅れている」というのは変な話です。この断りが来たという話が本当であるならば、私がスーチー伝に着手した段階で、各出版社に宣伝をしていたという事になります。またこの話が来る直前、S氏はダライ・ラマの著者と著作権&印税の件で揉めており、この話自体本当かどうかすら疑わしいです(前もって著作権共有、印税折半を受け入れさせるための口実とも考えられる)

*2 原稿料の4分の1で、手付け金&調査費として受け取っていたもの(225,000円)です。

*3 実際には折衝していると言っていたビルマ関連団体と名刺交換した程度で、明確な接点はありませんでした。団体の方が驚いていたくらいです。





 …そもそも各出版社と、スーチー伝出版に関する話を進めていた事などこちらは全く知りませんでした。にも関わらず責任をこちらに押しつけ(著作権の観点から言えば、この場合、私に責任はない事は法的にも認められています)、このような条件を一方的に突きつけてくるようでは、フェアどころかあまりにもアンフェアです

最初に言っていた「双方にとってフェアな取り引き」など全く無視したやり方ですし、このような条件で作業を続けるとなれば、生活(収入)にあまりにも影響が出ます。

 結局即撤退を決意したのですが、その為一旦受け取った金額は全て返済。この時点で159P送っていた漫画のネームの労働代は一切支払われておりません。その後撤退に関するやりとりをしたのですが、それもすんなりとは行きませんでした。





■■■ 撤退に関するやりとり ■■■


 …まずS氏に対し、メールで「著者に確認を取らないまま勝手に出版社と話を進めた事に関して、責任をこちらに押しつける事自体が間違っている」という点を指摘すると、以下のような答えが返ってきました(以下原文ママ)。


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 >一日も早く多くの出版社に認識してもらい、陣内様の作品を世に出したいという想い
 >のもと、出過ぎた行動になってしまったようです。これで儲けてやろうとか、
 >陣内様にご迷惑をお掛けするつもりはありませんでした。実のところ、過去2年間*4
 >交渉をさせていただいていた出版社から頻繁に「スーチー伝は本当に出るのか?」
 >という問いが多く、かなり切迫した状況でプロジェクトに興味を引きつけておくのが目的でした。
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*4 前項にも書きましたが、私がスーチー伝に着手した(ビルマ問題の調査を始めた)のがこのやりとりの丁度2年前であり、その時点で既に各出版社との交渉を始めていたというのなら、営業のやり方自体に問題があります。話を持ちかけられた出版社にとっても私にとっても迷惑な話です。



 …また、撤退する以上、既に無断で掲載されてしまっている私が描いた画像、ネーム(海外の媒体に掲載されてしまった画像含む)に関して、年内中の削除を求めたのですが、こちらは以下の理由で応じてくれませんでした(以下原文ママ)。


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 >陣内様と我々が協業させていただいた動機の源泉は、今、圧政の下、
 >苦しんでいるビルマの人々の一助になりたい、というものでした。
 >是非、その想いと共に上記、ご了承いただけますようお願い申し上げます。
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 …いずれにしても言い逃れのみで、私に対して責任を取る気のない内容ですし、画像削除の件に至っては、著者の権限から削除を要求→応じなければならないだけの事にも関わらず、「ビルマのためなのでご了承下さい」という答え。そこで以下の事をS氏に伝えました。





著作権の考え方に対する指摘:

 とにかく権限は著者にあり、削除要求には応じなければならない。
 無断転載は本人の責任であり、削除は無理な要求でもないのだから、断る事自体が非常識だという点を指摘。


ビルマ問題に関する知識・意識の薄さに対する指摘:

 ビルマ問題に取り組むにあたって、
 プロデューサーという立場であるS氏の知識や意識があまりに薄いという点について指摘。

 ネームは終わった順から既に159P、S氏に送ってありましたが、過去内容の事実確認チェックなど、
 やった様子は一切ありませんでした。
 そうった点に関しては、ビルマ関連団体に頼れば良いという考えだったようです。
 本人が「ビルマのために企画した」と言うわりには、大変にお粗末と感じます。
 また、画像削除を断った理由に至っては、まるで自分の責任を、ビルマの人々に責任転嫁
 してるようなものにすぎません
(企画目的と本末転倒になっている)
のでその点を指摘。


営業の仕方に対する指摘:

 そもそも仕事の進め方、順番が間違っているという事(今の進め方では出版社にも
 迷惑をかける形になっている)。
 また、初め聞いていた企画目的、条件と実際の動きがあまりにも違いすぎるという点について指摘。


M社からのシリーズ出版の件に関する指摘:

 シリーズ出版中止の理由が、本当は私と全く関係ない事がわかっていたので、
 それを含め、何故私のせいと言ったのか?
…その点に関する疑問と指摘。





 …返ってきた返事は大変短いもので、画像の削除は応じるとの事でしたが、「知識不足のためご迷惑お掛けしてすいませんでした」のみで、結局は自ら労働代を支払うというそぶりはまったくありませんでした。

 …その後、他著者さんと再度連絡を取り合ったのですが、既にS氏と著者達の間で様々なトラブルがあった事…他著者さんの企画参加経緯、著者さんとの関係等について、S氏が私に平気で嘘をついていた事がわかりました。それらに対する怒りが積もり積もった所で身体に異変を感じた所、胃、食道、十二指腸に病気が見つかり、現在も治療中ですが、一生治らない病気だそうです。

('12.11.01up)



■■■ S氏が起こした偉人伝漫画企画のトラブル一覧 ■■■


 …以下、S氏が他著者さん達との間で起こしていたトラブル一覧です。この企画、実際は見えない所で、かなり大きなトラブルを繰り返し起こしていたようです。




「ダライ・ラマ14世」


・日本語版がM社からシリーズ発行されるも、知らぬ間に印税がS氏との間で折半となっており(契約時の条件では、日本語版の印税に関してはすべて著者に入る事になっていました)、出版契約も著者抜きで調印を行われていた。それのみならず、印税が一旦S氏に全額振り込まれ、そこから著者に振り込まれるという不可解な形になっていた。調印をやり直させたが、S氏はなかなか納得せず。結局著者への印税振込先は、著者に直接となったものの、印税は折半となったそうです。


M社版の校正の際、かなりの台詞、ナレーションがS氏によって勝手に改竄されていたそうです。中でもチベット民族発起の歴史的記念日とされている日付が改竄されていた事に大変驚いたとの事。S氏曰く「亡命を決断するまでの時間が刻々と過ぎる表現をしたくて日付をいじった(短くした)のです」とか。これらの改竄を元通りに直す了承を得るのも一筋縄ではいかなかったそうです。


S氏が著者に相談もなく、勝手にM社版シリーズ出版の中止を決めた為、以降増刷出来ない、出版社が本の宣伝すら出来ない状態となっており、契約条件の末予定していた収入が得られず、大変困っているようです。


これらの事をブログに書いた所、S氏から即日電話があり「俺の仕事を邪魔する気か」とやくざの様な口調で怒鳴りつけられたそうです(何でもS氏の仕事仲間がブログを読んだようで、「ここに書いてある事が本当なら、もう君とは仕事は出来ない」と言われたとか。でも本当の事ですから、それで著者に対して怒るなら自分勝手な逆恨みにすぎないと思うのですが…)。


・海外版であるペンギンブックス(米国)版、ダイアモンドブックス(米国)版が無断出版されている上に印税未払い、内容改竄。S氏は話に応じない状態。


・現在、日本漫画家協会の著作権部、および日本漫画家協会の顧問弁護士と相談の上、重大な著作権違反としてS氏に和解提示案を出している所です(ただしほとんど話に応じない、話し合いに応じても嘘をつきまくっている状態の様子)




「チェ・ゲバラ」


・漫画制作時に、チェ・ゲバラが広島に訪れたエピソードを削れと言われたそうです。理由は「漫画を読んだ人に、日本人がかわいそうと思われたら嫌だから」という、S氏の民族的感情から発した、極めて個人的な理由だったそうです。あくまでチェ・ゲバラの話を描いているのであり、それと全く関係ないことなので、著者は何とかエピソード全面カットを阻止したそうですが、なかなか納得せず大変だったとの事…。


日本語版がM社からシリーズ発行される予定だったが、校正も済み、印刷所の輪転機にかけるだけの段階になって、突然シリーズ出版中止の知らせ。S氏からはこれといった連絡もなく、本人達がM社に訪れ事実を確認した所、発行部数に不服を持ったS氏が勝手にシリーズ出版の中止を決めた事が発覚。この件に関しては、M社も損害を受けている様子。その後K社から発行されましたが、校正作業中にS氏が間に入らなかった為、無事発行されたようです(但し印税はやはり折半のようです)。


過去に何度も「著作権を共有しよう」と持ちかけられ、そのつど断っていたそうです。結局海外版については自由に動いていい事を許可してしまったそうなのですが、出版された事すら知らされない状況とか(許可するかわりに必ず連絡はするようにという約束だったそうです)。故に実質海外版であるバーガーコミックス(米国)版、El Tercer Nombre(スペイン)版が無断出版されている上に印税未払いとなっています。また、ダライ・ラマの件から察するに、内容改竄の可能性も有ります。


・制作時にウェブ上で他著者さんと知り合い、挨拶程度の会話を交わしていた所、「著者同士勝手に連絡を取り合わないで下さい。連絡を取りたいなら自分を通すように」と、あまりにも理不尽な事を言われたとか…。


・S氏が間に入り、キューバのチェ・ゲバラ研究センターの協力を得て作品を作っておられましたが、その間いいかげんな事を言いふらされて大変に苦労した(詳細は話すことを本人が嫌がっている思い出したくもないとの事なので聞いていません)との事。また製作にあたって、S氏が資料等用意してくれる事は結局なかったそうです。自分で探して描いたとの事。


・他、制作時には様々トラブルがあり、体も壊して通院する羽目になったそうですが、トラブルの詳細に関しては、思い出すと具合が悪くなる、二度と関わりたくもない、顔も見たくないという事で、あまり話したがらない状態です。




「マザーテレサ」


日本語版がM社からシリーズ発行される予定だったが、S氏の勝手な判断で突然中止となる海外版(ダイアモンドブックス版)についても詳細わかっていません。





 …他「マハトマ・ガンジー」「アンネ・フランク」「リンカーン」等の作品を展開していく予定だったようですが、「アンネ・フランク」「リンカーン」等に関しては過去、イラストがE社のサイトに掲載されていましたが、現在では削除されており、その後音沙汰がない事から、著者が私のように撤退した可能性もあります。詳しくはわかっていません。

 私がこのうち直接連絡を取り合っているのは一部の著者さんのみですが、いずれもS氏の著作権に対する誤った考え方や進め方に関して、そのつど言及したり注意を促したりしてきたそうです。しかしその度いい加減な返事(事実と異なる事)が返ってきたり、言い逃れ、話のすり替え等をされ、ほとほと疲れたとか…。

 私自身も撤退時に、無断出版等を侵した場合の責任の重さ、著者の出方次第で法的措置が取られる事についてきちんと話しましたが、その後も無断出版を繰り返しています。また恐らくですが、S氏の所属する映画会社は、S氏と著者との間でこれらのトラブルが生じている事を全く知らないと思います。





■■■ 以上を踏まえ、著者達が危惧している事 ■■■


 …以上がS氏と著者達との間であったトラブルの大体の概要です。これがS氏と私達との間の問題だけで済むのなら、これらの事をお伝えする必要もなかったのですが、この企画に関わった人間として、私達が大変危惧している事があります。




  1)この企画は実際見えない所でトラブルだらけなのですが、S氏はそれらの責任を
  全く取らないまま、トラブルを表に出さぬ用にして本人の実績(成功例)として
  本人及びE社、映画会社の宣伝に使っています。

  私の描いていたアウンサンスーチーさんの漫画も、未だ制作中という形でCNNの記事等で
  本人の宣伝に使われています
(代わりの人が描いてる様子はありません)。


  2)これが成功例として紹介されている限り、今後も私達のような被害者が出てくる
  確率が高く
、漫画を描く人間として心配しています。


  3)E社では今後、北朝鮮の収容所に関するアニメを作る予定の様子ですが、
  その宣伝にもこの企画は使われています。
  アニメを作るのは構わないのですが、また制作者側が損害を受ける可能性が高い事と、
  制作費のカンパを一般から求めているため、このトラブルだらけの企画を宣伝に使う事は
  大変に問題があると感じています。
(後日談ですが、この企画は結局企画倒れになったようです)




 …いずれにしても、このような人物が表向き人権活動家として紹介され、携わっている仕事としてダライ・ラマ法王やアウンサンスーチーさんの名前を出している事が大変に不快に感じます。ただ、私が不快に感じるだけでなく、既に著者との間でお金に関するトラブルが続出しており、今後裁判になる可能性すらあります。また、平気で事実を改竄してしまえる感覚の持ち主である以上、E社のS氏と(例え間接的であっても)関係を持つことは、社会に訴えたい事実(例えばビルマ問題)に対する信用を失う事にもなりかねません。

 また収益の一部が寄付されるとの事でしたが、描き手に対する報酬が途中で勝手に変えられたり、作品の内容を勝手に改竄するなど悪質な事が行われているにも関わらず、寄付金の詳細すら著者に知らされていない模様で、全く不透明な状態となっています。そのような団体から関連する機関に寄付金が渡ってしまえば、大きな信用問題に繋がってしまうのではないでしょうか。



 …別紙にS氏曰く、「アウンサンスーチーさんの伝記漫画に協力してくれる予定だった団体等」をまとめています。彼の話がどこまで本当かわかりませんし、そちらの判断次第なのですが、もし問題があるとお感じであれば、繋がりのある団体等に、関わらないよう伝えておいた方が良いのではないかと私は感じています。

 今までの経験から、S氏があまりにも平気で嘘をつく事がわかっていますし、その為に随分と振り回され、次々と知らぬ間に問題を大きくさせられ、私達描き手は本当に疲れ果ててしまいました。携わってきた一人としての意見ですが、彼とは一切関わるべきではないです。

 あくまで私の経験と判断で今回このような文書をお渡ししましたが、問題がないならそれで構わないのですけれども、何かあった際にでもこの情報がお役に立てれば幸いと感じています。

(※以上がとあるビルマ支援団体さんに直接お渡しした文書です:'12.11.03up)





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※以下はS氏との話し合いの場を設けて下さった(私は行ってないのですが)
日本漫画家協会の会員さんにお渡しした文書です。
基本的に上記の内容と同じ事が書いてあるのですが、
まとめ方がわかりやすい事と、上記に載っていない情報もあるので掲載致します。



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【S氏とのトラブルまとめ】


私はS氏からアウンサンスーチーさんの偉人伝を依頼されていた陣内と申すものです。
契約時当初(2008年1月)はキング牧師を担当予定でしたが、
2008年4月にアウンサンスーチーさんの偉人伝へと担当を変更され、
同年7月よりネーム製作に取り組んでおりました。

その後紆余曲折あり、2009年5月〜12月までの間、先方からの連絡が途絶えたため作業を中断。
翌年1月から作業を再開し、それまでに完成していたネーム159PをS氏に送っていたものの、
2010年5月頭になって、急に契約条件の変更を求められたため、
それが原因で現在は企画から撤退しております(労働代は一切受け取っておりません)。

尚、私はプロの漫画家ではなく、たまたま趣味で描いていた漫画やイラストを
ネット上に公開していた事から、この話を持ちかけられました。
このような長編の話を描くのも初めてでしたが、S氏と直接会って話をし、
それでも構わないという返事だったので、原稿料や印税等条件を話し合い、
納得した上で仕事を請ける事となりました。





■■■受けた迷惑その1:当初聞いていた企画の理念と、実際の行動とが一致しない。



S氏は契約時に…
「この企画は人権問題に取り組む企画であり、偉人と呼ばれる人の生き方を
漫画というコンテンツで表現する事で、より良い世界を作る事に貢献したい」と言っていました。
しかし実際彼がやってきた事は、言っている事と相反しており、
また、企画の題材と真摯に向き合っているようにもとても思えませんでした。



(実例)


ビルマ問題は大変に複雑です、日本では右派ジャーナリスト、左派ジャーナリストで
まったく逆の立場をとっています。そしてどちらにも大きな誤解や、
事実と異なる情報が入り乱れています(詳細は割愛します)。

そのためこの話を描くためには右派、左派関係なくなるべく多くの資料を探し出し、
多角的な視点をから問題を紐解いていかなければならないものでした。

S氏は失礼ですが、2〜3冊ほど本を読んだ程度の知識しかもっていなかったように見えます。
具体的な例を書くと、軟禁状態にある、とある重要人物の現状を知らないくらいでした。
それらの事から、この企画に取り組みにあたって、かなり甘く考えている様子が伺えました。


題材となるスーチーさんの思想には、「目的と手段を一致させる」というものがあるのですが
(手段を誤れば目的に対する信用を失う、という理由から。彼女が非暴力主義なのもそのため)、
S氏は人の権利を無視して行動するのが常でしたし、企画撤退後になって、
私に対してそれまで平気で嘘をついていた事がわかりました。

これらの事から、とても題材となる人物の思想をしっかり理解してるようには思えませんでしたし、
やっている事そのものも、「人権問題に取り組む企画」とは相反してると感じました。
またこのような人物に、事実を扱う企画に携わる資格はないと私は思っています。





■■■受けた迷惑その2:契約時の話とは異なる、書き手を無視した行動と責任転嫁。



また、S氏は契約時に…
「書き手の作業環境に合わせたスケジュールを組む事で、
多少時間をかけてでも長い時代読まれるような秀作を作りたい。
その上で、現在の出版業界の環境を少しでも良くするさきがけとなりたい」とも言っていました。

しかし実際彼がやってきた事は、言っていた事とは全く逆でした。
著者に相談もなく勝手な行動をとったり、動きや意識に改善を求めても無視されたり、
挙句の果てには平気で責任転嫁する始末でした。



(実例)


私は2008年7月からアウンサンスーチーさんの漫画ネームに取り組んでいたのですが、
2009年2月になり、突如「M社から偉人伝漫画をシリーズ出版する事が決まったので、
それに合わせたスケジュールで作品を完成させて下さい」とせかされるようになりました。
具体的には、4月の時点で「今月中に残り(100P以上)すべて終了させてくれないと困る」との事。

S氏はプロデューサーという立場ですし、他作品が製作にどれくらい日数がかかったかを
よく知っている筈です。私は後に知ったのですが、同じような現在進行形の題材を担当された、
「ダライラマ14世」の著者さんは、プロット、ネームで1年近くかかったと言います。
その事を考えれば、素人の私には無理なスケジュールである事は容易に想像出来ると思うのですが…。

そういった計算をしている様子もなかったですし、出版社との間で話を進めていた事も、
それまで全く知らされていませんでした。


その後、「ダライ・ラマ14世」を発行したかぎりで、M社からのシリーズ出版が
白紙になった事を知らされました。その理由は私の作業の大幅な遅れが原因との事。
実際は発行部数に不服を持ったS氏が勝手にシリーズ出版中止の決定をM社側に
申し出たという事で、企画撤退後、私は何ら関係ない事がわかりました。

…どころかそもそもアウンサンスーチーさんの偉人伝漫画については、
M社側は話も聞かされてないのではないか(まだ予定に入ってなかったのではないか)
という話も聞いています。


その後、その事が原因で(自分の責任と思っていたため)一時的に病気になったため、
S氏に対し、ビルマ問題に取り組むことの大変さや(何故大変なのか等)、もう少し書き手の事を
考えてくれといった内容のメールを出しました。しかしそれから半年の間、何の連絡もなかった上に、
連絡をよこさなかった事をあっさり私のせいにされました(問い詰めたら後で謝りましたが)。


その後、2010年1月から作業を再開したのですが、4月末になって「進行が2年近く遅れてるので、
スペインの出版社(El tecer nomble)から断りの話が来た」との知らせが届きました。
当然スペインの出版社と話を進めていた事などこちらはまったくわかりませんし、2年前と言うと、
私がスーチー伝に着手した段階という事になります。また、実際作業にかかった年数は
(連絡をもらえなかった半年を抜かせば)1年と4ヶ月です。
とにかくいろいろとおかしな話なのですが、その責任を取れという形で、契約条件を変えるから
どちらか選んで欲しいとS氏は言ってきました。内容は以下のとうりです


   【プロジェクト共同保有】
   >リアリティーのある作品完成の日程を厳守するという大前提の下、国内外問わず、
   >弊社と陣内さんで著作権及び債権を半々(50%:50%)で保有する形とします。
   >また、原稿料も半額に設定しなおします(1枚3000円へ)。
   >弊社は引き続き、持っているネットワークを使い、代表して国内外の出版社への
   >ライセンス営業を続けます。また、ビルマの関連団体と折衝して製作をサポートします。

   【プロジェクト撤退】
   >作品をタイムリーに世に出すことは不可能とします。これまでに陣内さんに支払った金額
   >(ページ数を150Pと換算した上での原稿料の4分の1。手付金&調査費として受け取っていたもの)を
   >ご返納いただきます。今後、陣内さんが個人的に作品を完成し、出版会社などに折衝していただく
   >事に関し、弊社は権利を一切放棄し関与致しません。


…結局即撤退を決意したのですが、そのため既にS氏に渡していたネーム159P分の労働代などは
一切支払われておりません。





■■■受けた迷惑その3:企画撤退後にわかった契約内容の嘘と、企画撤退後にかけられている迷惑。



企画撤退の意思をS氏に伝えた所、「もし陣内さんが個人的に完成させるつもりなら、
その後の営業でサポートする事はやぶさかではありません」という返事が返ってきました。

私は一切お断りすると同時に、既に無断でネット上使用されている(海外の報道機関にも
アップされていた一部のネーム画像含め)、私が描いたアウンサンスーチーさんの画像をすべて
削除するよう要求しましたが、すんなりとはいきませんでした。
「圧制に苦しむビルマの人々のためにやった事なのでどうかご了承下さい」との事。

問題のはき違え、責任転嫁も甚だしいのでその点追及して、
改めて2010年度中に画像を削除する事を約束させましたが、削除されるまでの間、
何度かS氏の功績宣伝に利用されていました。

また、企画撤退後にこの企画に参加された一部の著者さんとこの件についてやり取りさせて頂いたのですが、
その中で、S氏が私に様々な嘘をついていた事がわかりました。



(実例)


私は契約時にS氏に会った際、「ダライ・ラマ14世」著者さんの企画参加の経緯を
「彼は自分の友人の友人(もしくは友人の紹介で知り合った方)で、チベットなら行った事があるので描けるよ、
といったノリで参加した」と聞かされていたのですが、事実は全く異なっていました。


私は契約時に「日本語版出版の際は通常より高いレートで印税を支払う」と聞かされていたのですが、
「ダライ・ラマ14世」M社版の印税が、S氏によって勝手に折半になっていた事等を知りました。


同じく「ダライ・ラマ14世」でS氏が著者に無断で改竄を行おうとした事を知りました。
「チェ・ゲバラ」でも個人的感情で、事実あった事を物語から削除しようとした事を知りました。


私はそれまでS氏から、日本のビルマ支援団体(2団体)が
「作品に期待していると言っている。監修を検討してもらえると思う」と聞いていました。
そこで企画撤退の旨が、S氏からきちんと連絡が行っているかどうか確かめるため
2団体にメールで問い合わせた所、「S氏は一度当フォーラムの会合に来た事があり、
名刺交換した人間はいるが、監修などという話は全く聞いていません。
また、それ以降連絡が来たことも一度もありません」という事がわかりました。


無断で使用されていた画像は2010年度中に削除するよう約束しており、それは12月25日辺りに
削除されましたが、S氏は同年11月中旬、CNNに自身の活動を宣伝する記事を掲載してもらっており、
その中にはアウンサンスーチーさんの偉人伝漫画も未だ製作中といった事が書かれていました。
リンクされていたE社のサイトには私の描いたアウンサンスーチーさんの絵も掲載されたままだったため、
最終的に削除したとしても、1ヶ月強ほどの間、勝手に宣伝に利用されたような形となりました。

   ■英語版 16 November, 2010より掲載
   http://www.cnngo.com/tokyo/life/manga-mankind-958592

   ■日本語版 8 December, 2010より掲載
   http://www.cnngo.com/ja/tokyo/life/manga-mankind-817406
   (これを公開してから半月以上たった今、ページを見てみたところ何故か日本語版ページ内容が
   削除されていました。単に記事掲載期間の問題で削除されたのかどうか、詳細はわかっていません。
   英語版はまだ残っています。/'12.11.20)



また、2010年1月頃よりTEDx seedsというイベントで、知らぬ間に公衆の面前でネームの一部が
公開されてしまったのですが…。こちらは未だにネット上に残っているのですが、動画になって
しまってますし、一応S氏には無断使用である事を告げたものの、
二度と利用されることはないと思ってあえて深く追求しないでおいたのです。

それをつい最近になって、彼の所属する映画制作会社の新作映画「happy」の宣伝とも言える形で
TEDx seeds側がtwitterで動画を広めてしまいました。
さらにはそれをS氏がtwitterでRTし、広めていました。
TEDx seeds側は無断使用画像が使われている事を知らない(S氏は何も伝えていない)
のだと思いますが、大変に不快な出来事でした。

   ■TEDx seeds
   http://tedxseeds.org/talk/the-power-of-manga/
   http://tedxseeds.org/Speaker/%e6%b8%85%e6%b0%b4%e3%80%80%e3%83%8f%e3%83%b3%e3%80%80%e6%a0%84%e6%b2%bb/

('12.11.04up)



【以上を踏まえ、S氏に言いたい事】


1)責任と権利の所在の履き違えについて

出版物の内容に関する責任は通常、著者及び監修者が負うものですから、
著者はそれゆえ慎重さを欠く事無く、徹底的な調査を行うのが当然の姿勢だと私は考えています。
題材となるものが時事問題であり、政治も絡んでいるならそれは尚更の事です。

また監修の件についてですが、このような責任が重い仕事を相手に打診してもいないうちから
「監修を検討してもらえると思います」「ビルマ関連団体と折衝して製作をサポートします」
…などと軽々しく言うべきではないと思います。
団体にとって大変に迷惑な話ですし、同時に失礼です(実際団体の方が驚かれていました)。
私は製作中、S氏が言う事を信じ、団体に見せる際内容の出来に失礼のないよう、
また期待に応えるべく、事実関係の調査に熱心に取り組んでおりました。
しかし実際の所、S氏は団体とそこまで話を進めてなかったわけですが…。

…結局企画撤退後、とあるビルマ支援団体さんと直接連絡を取り、
団体の計らいで、それまでに仕上がっているネーム(合計180P程度、まだ途中です)を
J大学外国語学部、アジア文化研究室長であるK.N教授に直接見て頂く事が出来ました。
結果、「大きな誤解や理解不足の点は一切見られず、全体的に大変よく出来ている作品である」という
評価を頂けた上に協力して頂さるとの事で、現在出版に向けて何とか動いているといった状態です。



このように書き手側が企画の題材、目的に対し、真摯に向かい合おうとしているのに対して、
S氏は自ら企画を立て、仕事の依頼をしておきながら事実関係の調査、
その集約として出版される本の信頼性、責任の重さとその所在についてあまりにも無頓着です。
一方で著者を無視した勝手な動きや横暴な要求が目立ち、
本来S氏がプロデューサーとして果たすべき責任を果たしていません。
…どころか、いざとなったら著者に責任転嫁といった状態。

S氏はその事を一体どう考えているのでしょうか?
はじめ聞かされた企画目的は一体何だったのでしょう?
どこにどういった責任があるのか、責任の重さはどれくらいか、誰が権利者であるのか…
そして企画達成のため、S氏が本来なすべきこと、責任を負うべき部分は何なのか…
S氏はそれらをあくまで自分にとって都合良いよう履き違えていないか? と私は問いたいです。




2)S氏のモラルのあり方について

もう一つS氏に言いたい事…それは人としてのモラルの事です。
私が今回最も衝撃を受けたのは、S氏の言動にあまりにも嘘(いい加減な話)が多いという事でした。
それがS氏本人の事だけならまだしも、第三者に迷惑をかける形の嘘があまりに多すぎます。

ダライ・ラマ14世著者さんの企画参加の経緯しかり、大手出版社M社からのシリーズ出版中止の理由しかり、
ビルマ支援団体との連携についてもしかり…。
そして企画の題材となった方々に対しても迷惑をかけていると言えます。
これらのトラブルを、企画の題材となった方々が知ったらどう思うでしょうか?
私は今となっては彼の事を一切信用していませんが、これでは信用しろという方が無茶です。

彼はすべてにおいて「ばれなければいい」、というスタンスで仕事をしているようにしか見えません。
あまりにも企画目的から反れた行為に、それでは本当の目的は何なのか?
あくまで利己的にな目的…自身の名誉欲のために立てた企画だったのではないか?
だったら何故契約時に正直に言わなかったのか? と問い詰めたい所です。




3)最後に…

最後になりますが、まず第一に…私は初め交わした条件が、途中勝手に変更されたり、
覆される事があるような仕事であるとはじめからわかっていたら…
嘘をつかれている事がわかっていたら、当然この仕事を請けるような事はありませんでした。
その点から言えば、S氏には騙された、詐欺に遭わされたとすら思っています。

第二に、たとえ途中で問題が生じたとしても、それら一つひとつに対して誠実な対応、
改善をして下さっていたら、こういう結果にはならなかったでしょう。
誰だって間違いはあるのですから、それを認め正せば、人はこんなにも怒りません。
しかしそれを一切やらなかった、直す気がないからこそ大変に怒っているのですし、
いつまでも業を煮やす事になったのです。

私は彼の話を信用していました。1年ほど経ってから若干不信感も出てきましたが、
それでも信じて本を完成させようとしていました。
それだけに、いい加減な企画であった事、それに振り回された事に大変怒りを感じております。



それまでの企画目的とは相反する行動や、度重なる著作権の侵害、
いい加減な事を言って他者の信用を利用する行為、著者に相談もなく勝手な行動をとる様、
責任転嫁の末のアンフェアな条件変更の要求等……

S氏は一部の人々には尊敬を集めるような行為をしています(ボランティア出版)が、
私達に対しては、勝手に権利を奪うのみならず、不誠実な行為を行い続けてきました。
格好良い事を言う事は誰でも可能ですが、このように言っている事とやっている事が
一致しないようでは、いずれ人は離れていきますし信用はガタガタに落ちていきます。



今回の件では著者、監修者、M社等、すべてがS氏から何らかの迷惑、損害を受けています。
通常、どんな仕事であっても、取り掛かる上でそれなりのリスクは背負うものです。
出版業界の場合はどうしてもスパンが長くなってしまうため、リスクは大きくなりがちです。
その中でコストを最小限に抑え、利益を追求しなくてはならない。

私は契約時にS氏が過去、大手広告代理店R社に所属していたという事から
このような事は知っていて当然だと思っていました(私自身、過去広告代理店に勤めていたため、
著作権等、S氏が疎い筈がないと信じていました)。
映画会社で働いているなら尚更、著作権の事を知らない筈はありません。
たぶん私以外の方々も、これらの事が彼を信用する材料となった事と思います。

…しかしS氏を信用したばかりにみな大きな損害と迷惑を蒙ってしまった。
私自身は彼の嘘を立て続けに知った事で、持病を抱える事になりました。

通常、リスクというものは自分の背負える範囲で負うものです。
S氏はこれらの事をどう思っているのか、何の罪の意識もないのか…

問い詰めたい事は沢山ありますが、まともな回答が返ってくる気がしないのが正直な所です。
それくらい、彼の行動には呆れ果てていますし、今回の件では本当に疲れ果てました。
とにかくこれ以上被害者を増やして欲しくないですし、
すべての責任を取って、きちんとした後始末をしてもらいたいものです。



アウンサンスーチー偉人伝漫画担当:陣内

(※以上が社団法人日本漫画家協会の会員さんに直接お渡しした文書です:'12.11.06up)





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※あとがき



【この内容をウェブ上にアップした理由】


何度も言うようですが、この被害内容をウェブ上にアップしたのは、新たな被害者を出さないようにするためです。
かつて冬コミで描き手を探して事も聞いておりますので、同人活動をやっている方々もどうぞお気をつけ下さい。

ちなみに私自身、このような仕事上のトラブルをネット上にアップする事で
ある程度の社会的信用を失うことを覚悟しております
(いちいちトラブルを拡散するような人に仕事を頼みたくないのは当たり前ですからね。
とは言え流石に過去にこのように仕事上のトラブルを大っぴらにウェブにアップした事はないですよ/笑。
今回のケースはあまりにもひどい内容だったため、アップを覚悟しました)。
また、S氏には住所も知られているのみならず、上記のとうり、S氏が何をするかわからない人物のため、
何かしらの嫌がらせ等受ける事もそれなりに覚悟しております。

それでも新たな被害者を出したくない、
自分のような思いを他の人にさせたくないがためにこの内容をアップしました。
心から、新たな被害者が出ない事を望んでいます。




【お願い】


この内容を読んで賛同してくださる方は、ブログ、twitter等で拡散して頂ければ幸いです。
尚、リンクはこのページに直接ではなく、ブログの方にお願いいたします。
また、周りにいる絵描きさんにもこの事を教えていただければと思います。
1人が10人に教えれば、10倍の人が被害に遭わずにすみますので…。

ところで今まで発行された偉人伝記漫画の印税が、
S氏との間で折半になってしまったことを上記でお伝えしましたが、
これに対して「許せない」という気持ちから該当する漫画の不買運動などを行う事は絶対にやめて下さい
(このページにある単語を検索していけば、作品は簡単にみつかる事と思います)。
それによって一番辛い思いをするのは著者さんです。

作品を読んでいただけない事ほど著者にとって悲しい事はありませんし、
本が売れて再版できなければ、印税もこれ以上入りません。
S氏に印税の半分が入るのは私としても口惜しいのですが、
これに関しては、私も著者さんたちに対して全く力になれず、残念に思っています…。

とにかく著者さん達には絶対に迷惑をかけないようにお願いいたします。
むしろ応援してあげて下さい。




('12.11.20up)




【S氏が在日韓国人であった件について】


これを読んだ在日韓国人の方から、非常にショックを受けたと言う感相を頂きました。
私に対する同情の声でしたが、しかし同時に在日韓国人に偏見を持って欲しくないともお願いされました。
これに関しては私のブログ公表の仕方に問題があります。不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。


しかしブログのトップページにある一文を削除するつもりはありません。
二度と在日韓国人と仕事する事もないでしょう。
何故ならばS氏の個人的、民族的感情からの行動、言動に、あまりにもショックを受けたからです。


それらの事を説明するために、まずはS氏と出会った経緯、
S氏が在日韓国人(帰化人)である事を知った経緯を書かせて頂きます。


…私は初め仕事の依頼が来た際、S氏を日系人か何かと思っていました
(アメリカのドキュメンタリー系映画会社で働いている事はきちんと確認した後でしたので)。
その後も彼がよく使う「日本人として〜」という言葉の文面を見て日本人と思い、信じて疑わなかったのです
(ただ、本当の日本人はあまり「日本人として〜」という言葉をつかわないので、
ちょっとおかしいなとは思ってましたが)。

…1年ほどたったある日、映画会社W社のサイトから繋がっていた米国の情報サイトに掲載された彼の経歴を見、
初めて彼が在日韓国人であることを知りました。そこには英文でこう書いてあったのです。


「私は子供の頃から日本であらゆることで差別を受けてきた」と。


その数年後、CNN日本語版でこの言葉が日本語に訳されていましたが、
(現在は何故かページごと記事が削除されています)私はこの言葉に大変ショックを受けました。

なぜなら私は日本人だからです。
日本人に仕事を依頼しておきながら、外国のメディアに向けてのみ、
このような内容の言葉を使って自身の宣伝を行っていたことに衝撃を受けたのです。
普通一緒に仕事をする仲間の事を、たとえ間接的であってもこのように卑しめる事はしない筈です。





それでも私はS氏を信じる事を選択しました。
海外メディア向けのあの言葉、あれは言葉のアヤだろう。
それに私は彼の子供時代を知らない。本当に差別があったならばそれは気の毒と思うし、
もしかしたらわかりあえる最初の在日韓国人になる可能性だってあるだろう、とさえ思っていました。
だからこそS氏に対し、偉人伝記漫画企画の進行について、改善を求めるメールを送ったのです。

私は返事を待ちましたが上記のとうり、その後6ヶ月返信がなかったどころか、メール内容については無視。
それどころかこちらが返事をよこさなかった事にされました。
この時点でS氏に対する信用はすっかりなくなりました。


…撤退後、チェ・ゲバラの広島滞在エピソードを全面削除するよう指示したという話を聞いて、
もうこれは本当に駄目だと思いました。

日本に投下された原爆、それは広島にいた日本人のみならず、
当時広島に滞在していた在日朝鮮人、捕虜のアメリカ兵をも無残に殺しました。
原爆に関する問題は日本人のみの間で語り継がれる問題だけではないはずです。
人類すべてが考えなくてはならない、人類共通の悲劇と言えると思います。

そのエピソードを世界の人に見せたくない(この企画は元々海外向け漫画本の企画だったのです)、
亡くなった方々すべてを犠牲にしてでも、日本人が世界の人々から同情されるのを嫌がると言うのは
あまりにも異常です。私は彼のこの発言を許す事ができません。


彼は何故そこまで日本人が嫌いなのでしょうか。
それなら何故私達日本人に仕事を依頼したのでしょうか。
私は過去にも在日韓国人の方に嫌な思いをさせられた事があります。
もう限界でした。二度と関わりたくないと思いました。





…そこで最初の話に戻りますが…
「今回の件で偏見を持って欲しくない」それはわかりますが、同時にその反応には微妙なものを感じています。
偏見を持って欲しくないと思う前に、「こんな人物は同じ在日韓国人として許せない」
と思うべきではないでしょうか(幸いメッセージを下さった方は私に同情して下さいましたが)。

私達日本人は普通、同じ日本人が他民族に対して犯罪やトラブルを犯した時、
「同じ民族として恥ずかしい、相手の方に申し訳ない」と思います。
偏見を持って欲しくないと思う以前に、同じ民族としての恥を感じるのです。

どうして在日韓国人の方は、そう思ってくれないのでしょうか?
偏見を持って欲しくないと思う前に、どうか声を大にして「許せない」と言って欲しいのです。


実際出版広告関連の仕事等で、在日韓国人とのトラブルはよく聞きます。
ですから一部の善良な在日韓国人の方にお願いです。
差別された、偏見を持って欲しくない、と思う前に同胞の行動を冷静に判断して非難する勇気を持ってください。

私自身はもう在日韓国人と仕事を組む事はこりごりです。
しかしそういった行動を起こしてくれる事で、
他関係のない在日韓国人の方々が苦い思いをすることはなくなるのではないでしょうか。
そう願ってやみません。


※これのブログ対して「悪質な在日韓国人差別記事である」というご意見をtwitterで頂いたのですが、
以上を読めば、そうでない事はおわかりの事と思います。
それに私がもし在日韓国人を差別しているのなら、それがわかった時点で仕事を断っている筈です。
また、私の友人に実は在日韓国人だったという人がいても、それで友達をやめるという事もありません。
それまでずっと信用できる間柄だったからこその友達なのですから。





【最後に】


お陰さまで沢山の方に読んでいただいておりますこのページ。
細かいことを言えばまだまだいろんな事がありましたが、もうこの辺で十分、疲れました。

ちなみに私が発行に向けて動いているミャンマー情勢に関する本、
昨年度某出版会社さんに目を止めて頂いたのですが、その後企画会議でボツに。
このブログをアップした頃新たな出版社さんからお声がかかり、
現在編集者様達との打ち合わせを行っている段階です。
無事出版されるよう頑張りたいと思っています。

尚、後日ブログの方にこういった被害に遭った場合の対策等掲載しますので
引き続き読んでいただければ幸いです。
長い内容でしたが、最後まで読んでくださってありがとうございました。
感想、コメント等ございましたらお気軽にブログの方に残して頂ければ幸いです。
個人的にやりとりのある方は個人的なやりとりを交わせる場所でもご意見お聞かせ願えれば幸いです。

ところでS氏、現在ドキュメンタリー映画「happy」の上映会、それに伴う講演を各地で行っております
(検索してみればたくさん出てきます)。
実際冷やかし半分に行ってみて、本人の講演を聞くのもよいかと思います/笑


…世の中には言いたいことがあっても言えない立場の方、言う勇気が出ない方、
言わないほうが正しいと思っている方、様々いることと思います。
今回アップしたこのブログの存在が、何かしら世の中に一石を投じてくれる事を願っています。




('12.11.21 すべてのトラブル被害者のために:陣内)


※おまけ:ネームの一部です。